私は夫がPhDをしていたボストンに2年半住み、その後、夫のポスドク先がカリフォルニアのベイエリアにある大学だったので、そちらへ引っ越しました。
↑@ボストン
↑@ベイエリア
アメリカで最初に住んだ街がボストンであった私は、半年にも及ぶボストンの冬の長さや、一冬に3回程やってくる"storm"という豪雪・マイナス20度の日々(2,3日で終わることもあれば1週間続くことも)を経験していたので、カリフォルニアはヤシの木に真っ青な空に太陽〜♪などと、天国のイメージを持っていました。
しかし、実際に住んでみると、まぁ想像とは違うこともたくさんありました。
どちらの街もアメリカの中では大学が多いため(企業もですが)、特にPhDや研究者として大学に所属する人は、どちらの街に行くか悩むこともあるかもしれません。
そこで私の経験から、ボストンとベイエリアを比較してみました。
ベイエリアといっても、広すぎるので、ここでは某大学があるPalo Alto周辺のことを言っています。
ボ=ボストン、パ=パロアルト
☑️家
ボ:1 bed room(=ベッドルーム1つ+リビング+お風呂トイレ)のアパートで$2,000くらい。洗濯機が共同な物件が多い。
パ:古いものでも高い。ボストンの1.5倍くらいする。1bedで$3,000くらい。こちらも洗濯機は共同な物件が多い。
☑️天気
ボ:年間通して毎月5日以上は雨が降る。4~10月で晴れた日は過ごしやすくきもちいい。ボストンにはクーラーがない家もあるが、真夏はクーラーがないと暑い。11月には寒い冬が始まり、1~3月に大雪のstormが数回来る(学校などもお休みになる)。
パ:5~10月はほぼ雨が降らない。私は引っ越してきてから約半年後に初めての雨が降りました。夏は日中28度近くまで上がりますが、夜には12度くらいまで下がるので真夏でも夜は少し肌寒いです。なんといってもここの特権、雲ひとつない濃い真っ青な空は最高に気持ちいいです! しかし、冬は雨が多くなり、寒い(最低気温3度くらい、日中は15度くらい)。年中常夏ではない。
☑️天災
ボ:地震がほとんどない。山火事もほぼない。
パ:世界で有数の地震多発地帯。日本と同じく、プレートの境界に近く断層も多くある。また山火事は例年夏〜秋にかけて起こっている。今年の山火事は悲惨で、発生源から300キロほど離れているものの、頭がクラクラするくらい空気が悪かった。
☑️日本人
ボ:日本人はいることはいる。日本人のコミュニティーサイト(Boston Internet Community)で中古売買・家の紹介などもある。しかし、日常的に日本人を見かけることはなく、夫が所属していた大学の無料のクラスなどに参加しても日本人に会うことはなかった。
パ:日本人が多すぎる。ジム、図書館、スーパー、レストラン、大学構内...、どこでも会う。日本人のコミュニティーサイト(びびなびサンフランシスコ)はボストンに比べると10倍くらいアクティブ。
☑️日本食スーパー
ボ:Boston市内にもMITやハーバード大学があるCambdridge市内にも日本食スーパーはあり便利。しかし納豆1パック$3.99(400円超え!)
日本食レストランはおいしいのがたくさんある。
パ:パロアルトからは少し遠くに(車で20分)に1つ、さらに少し遠くに2つある。納豆1パック$1(約100円)!!!!!!
他の商品もボストンと比較すると全体的に7~8割掛けくらいの安さ。
☑️スーパー・日用品
ボ:住んでいた家からは徒歩15分圏内に2件もWhole Foodsがありました(これはボストンでもかなり立地がいい方だと思いますが)。
パ:徒歩で行けるスーパーがあったらかなり立地がいい方。
Target, Costco, Ikeaなどの日用品店や大手スーパーなどが密集した広大な敷地のモールが点々と(車で30分おきくらいに)ある。
☑️電車・バス
ボ:電車もバスも路線がたくさん。電車自体はおんぼろだが、10分おきに来るので便利。大抵の所へは電車とバスで行ける。
パ:電車は南北に走るCaltrainのみ(San Francisco行きかSan Jose行き)。1時間に1本くらい。
バスは路線が多く、10~30分間隔。自転車も積める。
ある場所に行くのに、バスだと乗り継いで50分だが、歩いて45分、なんてこともあり、使い勝手は悪い。
☑️文化
ボ:アメリカで最初の大学であるパーバード大学をはじめとして多くの大学が密集する学術都市としての色は強い一方、製薬や金融などの企業も多く存在する。音楽で有名なBerklee College of Music(バークリー音楽大学)やBoston Symphony Orchestra(ボストン交響楽団)、Boston Ballet(ボストンバレエ団)などもあり芸術の街でもある。
パ:シリコンバレーの中心というだけあって、スタンフォード大学周辺に、Google, Facebook, Twitter,....数え切れないほどのテック企業が密集している。道を歩けば自動運転車が試験運用されているなど、テクノロジー一色の街である。物価が高すぎるため、住んでいる人もどこかしらのテック企業で勤めている人のよう。驚くほど、多様性がない。
☑️田舎ー都会度
ボ:東京から引っ越した当初はなんて田舎なんだろうと思っていた。人が密集して住んでいるので、個人商店や個人経営のカフェが住宅街にポツンとあったり、閑散としていない。住宅街はレンガ造りで可愛らしい景観。
ダウンタウンに行けば、ボストンの"表参道"といわれるNewbury Streetがあり、ブランド品店や高層ビルなどもあり、かなり都会。
パ:ボストンから比べるとかなり田舎。住宅街でも道幅が広く街路樹が森並みに野性的。住宅街にはお店などほぼない。公園がたくさんあり、すべての公園にかなり大きな芝生の広場がある。
Palo Alto駅前のUniversity AvenueやCalifornia Avenueはお店が密集しているが、ただ1本の道が栄えているだけで、その付近はなにもないので、ボストンに比べると小規模。
(※サンフランシスコのダウンタウンまで行けば(車で1時間)、新宿くらいの都会感は味わえます)
住んでわかりましたが、一長一短なのかなと思います。私個人的には、ベイエリアの濃い青の空(日本の空よりだいぶ濃い!)は不便さをかき消すくらい、気に入っています。