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ポスドク@ベイエリア はきつい。


夫は物理のポスドク1年目。

家族でアメリカ カリフォルニア州のベイエリアに住んでいます。(ちなみに、我が家は夫、私、子ども1人の3人家族で、私は今働いていません。)

一般的に"ポスドクは大変”と、これまでたくさん耳にしてきて、ポスドクの雇用が数年(3年ほど)で、その後の就職先が真っ白である不安定さ、次の仕事をゲットするには研究の成果を上げなければとプレッシャーがかかること、寝る以外は研究をしているにも関わらずお給料は薄給であること等、とても大変な仕事だと感じていました。

これに加えて、夫はポスドク先を物価がとてつもなく高いベイエリアにある大学に決めたことや、ポスドクで子どもがいる人は少ない中、我が家は家族が帯同していることで、さらに大変な環境にいると思います。

ベイエリアでのポスドク家族生活は...

●家賃がとてつもなく高い。

1Bedroom(リビングと寝室の計2部屋+バストイレ, 洗濯機はアパートで共有なことが多い)で月$3,000(=約33万円)ほど。子どもが大きいor複数いると2Bedroomは必要ですから、さらに上がります。

また、大学の家族寮はありますが、同じくらいの値段がします。(空きがなく、なかなか入れないです。)

そして、家の値段は年々高騰していて、賃貸の更新時に家賃が数万円値上がりしていきます。

●車がないと生活できない。

リース、中古、新車(のちに売れることを期待)、など様々な買い方がありますが、どの方法でも保険料・ガソリン代等の維持費も含めると月$500(=5万円)ほどかかるのでは。

我が家は、夫が勤務する大学から自転車圏内に住んで、夫は自転車通勤、私と子どもが主に車を使っていますが、これ以上職場が遠かったら、一家に2台必要になります。

●医療保険がとてつもなく高い。

アメリカの医療保険は保険料が高すぎることで有名ですが、(加入する保険によりますが)一人でも年$10,000(=100万円)ほどするのに、我が家は3人なので年$30,000(=300万円)近くします。医療保険は医療のみなので、歯科・眼科を追加するとさらに高くなります。

ポスドクの契約内容次第だと思いますが、自分のお給料から保険料を支払うのは到底無理なので、家族の保険料を指導教官に支払ってもらえるよう交渉したり、奨学金に賄ってもらわなければなりません。

●保育料がとてつもなく高い。

母国を離れていると、親や家族からの育児のサポートは皆無になります。我が家は夫婦2人きりで、子どもを育てるのは無理だった(特に0歳児)ので、保育園や短時間でも子どもの預け先を検討しましたが、day care(保育園)では0,1歳児の保育料が月$2,000(=20万円)を超え、2歳以上のpreschool(1日3時間で週5日)でも$1,000(=10万円)以上と、あまりにも高額で驚きました。そしてベイエリアだと空きがなかなか出ないので、1年以上のwaitingとなる場合もあります。

●宿泊を伴う学会に参加しにくい。

ポスドクに限らず研究者は、世界各地で開催される学会(数日〜1週間ほど)に参加したい、する必要があると思いますが、その間に妻が育児のワンオペをするか、ベビーシッター等に頼むには費用がかかるので、なかなか学会に参加しにくいです。

(先日、子持ちのポスドクにベビーシッター代を負担してくれる学会があると夫から聞き、画期的だなと思いました。)

●シリコンバレーの人がキラキラして見える。

ベイエリアの土地柄、周囲にはGoogle, Facebook, Apple, Amazonを始め多くのIT系の会社があり、ここで出会う人は大抵それらの会社に勤めているエンジニアか研究職ばかりで、みんな高級取りにみえます。その環境で純粋に研究を行うというのは、”この数年間は自分への投資だ”と思うことが必要かもしれません。

たくさん思う所を書き連ねましたが、現在進行中のポスドク家族生活をしている身として言えることは、こんな環境ですが、なんとかやっていけます....!

ベイエリア、天気がいいことが最大の救いです。

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