ボストンにはHarvard, MIT, Tufts大学など100を超える大学があり学術都市としての拠点になっている他、製薬会社やIT企業などの多くの日系企業も存在しているため、ボストンは在住日本人が多い海外都市の一つとなっています。
そんな土地柄、ボストンに家族で暮らしている日本人も少なくないですが、ボストンに在住中に妊娠した場合、海外での出産ということで分からないことが多く、不安もあると思います。
過去のブログにも妊娠・出産に関する記事を綴りましたが、今回は妊娠発覚から、出産、産後のケアに関してまで、一覧にまとめてみました。
ボストンで妊娠した方が少しでも不安を払拭してご出産を迎え、さらに産後の大変さを和らげられれば、と心から願っています。
妊娠発覚〜
STEP1 妊娠検査薬
CVSやWalgreensなどの薬局で、"Pregnancy Test"と書かれた箱のものを買う。(2本セットで大体$10)
STEP2 病院の予約
かかるのは、産婦人科=Obstetrics and Gynecology(略してOB/GYNということも)。
アメリカは加入している保険会社によって、かかることができる病院が決まっているので、保険適用の産婦人科のある病院を選択する。(私の場合は、保険会社はBlue Cross Blue Shieldで、夫がHarvard大学にいたため、Harvard University Health Servicesにかかりました。)
電話で妊娠検査薬に反応があったと告げると、おそらく10週目以降に予約を取ってくれます。
ちなみに、定期検診を行う病院と、出産を行う病院は別の場合が多いです。
妊娠が確定したら(妊娠2ヶ月〜)
ボストンに在住の日本人助産師さんや産婦人科医の方がボランティアで主催してくれており、定期的にやアメリカで主流の出産方法である無痛分娩の勉強会や、妊婦さん同士の交流会等の開催がある。
つわりが終わり体調が良くなってきたら(妊娠5ヶ月〜)
STEP4 赤ちゃん用品の準備
事前準備が必須である、ミルク、搾乳機、オムツにだけ言及すると、
ミルクはアメリカの2大ミルクメーカーであるEnfamilやSimilacでサンプル(といっても、大きな缶2, 3個)を貰える。
搾乳機は加入している保険によりますが、もらえる場合がある。貰い方はこちら。
オムツもPampersやHuggies各社のHPより登録してサンプルが貰える。
STEP5 退院時に絶対必要なチャイルドシート(カーシート)の準備
ボストンは電車やバスの交通が便利なので、車を使わない人もいると思いますが、車の有無に関わらず、マサチューセッツ州法で定められているため、出産後の退院時にカーシートの有効期限が切れていないかのチェックがある。中古品を買う際は、有効期限に注意です。
基本的には好きなものを購入すればいいと思いますが、アメリカでは新生児期はトラベルシステム(ベビーカーにもなるカーシート)を使用する人が多いです。詳しくはこちら。
私は車を持っていなかったので、退院時はUber Black(高級なUber)でカーシートに新生児をのせ、自宅に帰りました。
STEP6 赤ちゃんの名前を決める
アメリカでは、出産時に病院でBirth Cirtificate(出生証明書)を提出しますが、その際に赤ちゃんの名前を登録する。日本の出生届のように、生後14日までではないので、注意が必要です。
ミドルネームもつけることが可能。
妊娠7ヶ月〜
STEP7 出産する病院の決定
基本的にアメリカでは定期検診を行う病院と出産する病院は異なるので、出産する病院を選ぶ必要がある(保険適応される病院の範囲で)。
ボストンだと、代表的な産科を持つ病院はMGH, Brigham and Women's Hospital, Mount Auburn Hospitalのいずれも、評判がいいようです。各病院が出産する病室などを案内してくれるホスピタルツアーを開催しているので、参加してから決めてもいいかもしれません。
(私は定期健診でかかっていたHarvard University Health Servicesが提携していたMount Auburn Hospitalにしました。)
STEP8 出産後に赤ちゃんがかかる小児科医の決定
アメリカでは、妊娠から出産までを診てくれる産婦人科OB/GYNと、赤ちゃんがかかる小児科Pediatricsは完全に分離されており、出産後すぐから赤ちゃんを診てくれる小児科医を事前に決めておく必要がある。小児科医の決め方はこちら。
STEP9 出産にかかる医療行為に関する書類・同意書の提出
定期検診の際に指示があると思いますが、サインが必要となる2つの正式書類を事前に出産する病院に提出する。詳しくはこちら。
●Massachusetts Health Care Proxy (州法による医療行為内容決定の代理人の選出)
●Information about Your Care During Labor and Birth (病院による陣痛時,分娩時,出産後,新生児に関する医療行為のリスクや副作用・緊急時の対応等への同意書)
STEP10 日本の出生届の書類入手
日本の出生届を出す際に必要となる出生証明書について、事前にフォームを在ボストン日本国総領事館(@South Station近く)に出向きくか、または郵送で入手する。領事館のHPはこちら。
STEP11 入院時に持っていくものの準備
必須のものは以下4点。その他詳細はこちら。
●カーシート
●ソーシャルセキュリティーナンバー
●日本の出生証明書フォーム
●身分証(パスポートや運転免許証)
その他、決めておくこと
●赤ちゃんの名前
●小児科医
●必要ならバースプラン
いざ出産!
STEP12 破水・陣痛がきたら、病院に電話
電話連絡する際に役立つ英語はこちら。
STEP13 出産のための入院
アメリカでの出産のための入院は、経膣分娩では48時間、帝王切開では96時間と日本より圧倒的に短いですが(保険でカバーされるのがこの期間)、LDR(Labor陣痛、Delivery分娩、Recovery回復)を自分専用の個室で行うのが一般的で、自分の思うがままの出産をできると思います。
赤ちゃん誕生後
STEP14 赤ちゃん誕生後にする手続き(アメリカ・日本両方)
(行う順に)
①出産した病院で入院中にBirth Certificate, SSNの申請 (申請用紙は病院で貰い、自身で申請書に記入後、病院側が申請)
②Birth Certificateの本紙の取り寄せオンラインで申請
③赤ちゃんの保険に加入(多くの場合Birth Certificateのコピーが必要)
④SSNが郵送で自宅に到着(私の場合出産から2週間後)
⑤日本の出生届を在ボストン日本国総領事館に提出または郵送(生まれた日を含めて3ヶ月以内) 領事館のサイトはこちら。
⑥赤ちゃん用のアメリカパスポートの申請
SSN・Birth Certificate必要で郵便局で申請する。追加料金を払うと早くパスポートを取得できるサービスもある。(私の場合一番安い通常の方法で申請後、2週間で郵送で自宅に届いた)
⑦赤ちゃん用の日本パスポートの申請
日本の出生届が受理され、戸籍謄本に赤ちゃんが反映されたことを確認し、その原本を取得(郵送などで)後、パスポートを申請。領事館のサイトはこちら。
OPTION 産後ドゥーラなどの助けが必要な場合
産後の間もない母親の身体・精神のケアや赤ちゃんとの生活のサポートをする"ドゥーラ"という職業がありますが、もし日本人のドゥーラさんに頼みたい場合は、以下に問い合わせする。
●"ボストン日本人マタニティグループ"にドゥーラさんが何人かいらっしゃいます。
●"Patte de Chat Concierge"も日本人の方のドゥーラサービスがあります。
私の体験記はこちら。
OPTION 急遽子供と日本へ帰国したい場合
赤ちゃんの日本のパスポートをまだ取得していないが、急遽赤ちゃんと日本へ帰国したい場合、『帰国のための渡航書』(海外から日本にのみ渡航できる一時的なパスポートのようなもの)を取得して帰国することができる。
(詳しくは帰国までにやること、帰国のための渡航書、航空券・バシネットの予約、荷物の準備)
※上記の内容は記録当時のものですので、それぞれの機関のHPなどで変更等がないか、ご自身で再度ご確認ください。